2012年09月17日

格言がすき☆恋文大賞®





「決意の日」父さんへ

「父さん、恥ずかしいから参観日に来ないで!」
小学校最後の父親参観を拒んだ時の、父さんの悲しそうな顔は、
十年経った今でもぼくの脳裏に焼き付いています。
ぼくは塗装職人の父さんを恥ずかしいと思っていました。
ペンキだらけの服に、ガサガサの手、シンナーくさい車。そのすべてが大嫌いでした。
ぼくが風邪をひいても、母さんと二人で現場に出て、
朝早くから夜遅くまで、休みもなく働き続け、おまけに冬は出稼ぎで本州に行く。
ぼくは寂しくて、父さんと母さんの苦労も知らず、自分勝手に反抗していました。
自分のいたらなさを親のせいにして、家出もしました。
あの日、「もう家には帰らねぇ!」と睨み付けたぼくに、
「ちゃんと飯食ってるのか。風邪ひいてないか」と、父さんは笑顔でした。
殴られると思っていたぼくは拍子抜け。こぶしのやり場に困りました。
父さんがすい臓がんで余命1か月と告知された日も、ぼくは家に帰らず、遊び歩いていました。
父さん、ごめんなさい。
なぜ反抗したのか、自分でも理由がわかりません。
父さん、会いたいです。話したいことがたくさんあります。
孝行したいときに親はなし、と言いますが身に沁みます。
高校の卒業式に、父さんからもらった三行の手紙は、ぼくの宝物です。

「卒業おめでとう。父さんはペンキ屋の仕事に誇りを持っている。
命を懸けている。千ヒロもそんな仕事に巡り合ってほしい。
職業に貴賎なしだよ」

父さん、ありがとう。
ぼくは薬剤師を目指して薬科大学に行きましたが、どうしても父さんの跡を継ぎたくて、
大学をやめる決意をしました。
父さんが死んでからは、母さんの仕事も激減し、抜け殻のようになっています。
今日は父さんの命日です。
ぼくの決意が正しいかどうかはわかりませんが、明日から母さんと一緒に現場に出ます。
父さんの分まで、母さんに孝行するつもりです。

父の志を 受け継ぐ心 実直に



by 角谷 千飛路 
第二回KYOTO KAKIMOTO 恋文大賞®より
心に残っていたので引用させて頂きました。

http://www.koibumi-kakimoto.jp/koibumi_vol02/


幼い頃に亡くなった父親の記憶って、うっすらとしかない。
けど、見てくれている、という意識はいつもどこかにある。

それでいいんだと思う。


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この記事へのコメント
おはようございます。おひさしぶりです。

”心に響く言葉”って、人それぞれ、またその時々で、
受け取り方が違うのかもしれないけれど...。

私にも自分なりの心の琴線に響くものを、
おすそわけしていただけるような、そんな気分で
おくねぇさんの”格言が好き”シリーズを拝見しています。

ありがとうございます。
これからも、楽しみにしています。(*^_^*)
Posted by DreamerDreamer at 2012年09月17日 06:57
ありがとうございます。

自分よがりのものですが、
こうして、他のどなたかも何かを感じて頂いてるなら
とてもうれしいです。

これからも、宜しくお願いします。
Posted by おくねえおくねえ at 2012年09月18日 23:09
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